雷からの人身防護 〜落雷事故の防止〜
                     
 落雷による人身事故例 (PowerPoint)   PowerPointをお持ちでない方 ⇒ PowerPointViewer ダウンロード
 「安全は自分で獲得するもの。他人任せは自殺行為。」 2011年 台風12号水害の教訓です。
近畿地方を中心として甚大な被害をもたらした2011年の台風12号。浮き彫りになったのが「防災意識」「防災知識」です。
「避難指示がなかったから避難しなかった」という被災者の声に対し「想定超えのことで仕方がない。避難指示を出して何事もなかった
ら、いたずらに混乱を招くだけ。さらに避難時に生じる危険の問題もある。」と回答する行政。
根本にはやはり、「几帳面でがまん強い国民性」があります。これは世界に誇れる国民性ですが、こと防災・安全についてはマイナスに
なることがあるという、悲しい実証になってしまいました。
几帳面でがまん強い日本人は、何事にも「基準」を求めがちです。そのため、特に防災・安全といったものについてはどうしても「他人任
せ=専門家任せ」にしがちです。ところが防災・安全対策の全ては限界のある、「減災対策」でしかなく、想定越え=基準超えの事態
は専門家ですら予測不可能なことがよくあり、ましてそれが急なものであればなおさらです。そして対応が遅れ、最悪の人的被害を招
いてしまうことがあります。
この台風12号で生死明暗を分けたのは、「いかに自主的に臨機応変に対応したか否か」でした。
そもそもヒトという生物は、他の多くの生物と異なり、「本能的に災いを予知し、適切に対応する能力」を持っていません。全て「学習に
よって得た知識範囲」によるしかない、非常に弱い生物です。この根本的な弱点を認識し、「防災意識」、「防災知識」を持っていた人
が、過酷な状況の中でも助かったのです。
防災・安全対策の基本はいざというとき、いかにして自分も他者も災いから逃れるかということを日頃から考え、知識を蓄え、
たゆみなく備えを実践するということであり、決して「他人任せ」にしてはならないことなのです。ほんの少しでも不安に思う
ことが生じれば、「基準」などに関係なく、迷わず「最悪」を考えて即行動、結果、何もなければ「それでよし」とする「意識」が
極めて重要なのです。「何もなかったではないか!大げさな!」などと言うのは、いつか必ず落命する結果になると心得なけ
ればなりません。これは東日本大震災の津波被害者で九死に一生を得た人の多くが語っていることでもあります。
さて、最も身近で数多い雷被害ですが、雷の被害に遭った方に聞くと、いまだによく「死んでも仕方がないこと」あるいは「雷神の天罰」
などと言われます。これだけ雷の性質がわかり、防護方法もはっきりしている今日、いかがなものかと思います。
雷はまさに「神出鬼没の電光石火」で、他の天災とは比べものにならないほど「率先して知識で予防する」ことが要求されます。
「雷注意報が出たら屋外に出ない」⇒安全な場所は「ファラデーケージ」の中以外にはない。
電気器具のプラグは、雷注意報が出た時点でコンセントなどから抜く。メタルの電話線なども同じ。雷鳴が
聞こえる状態になると、もはや落雷危険域に入っており、コンセントなどから電気器具のプラグを抜く行為
はもう危険。あきらめる。雷鳴が聞こえなくなってから、少なくとも30分は屋外に出ない。
建物の壁・窓・柱から少なくとも1メートル以上、テレビ、電話、ガス器具、水道栓など建物外部から建物
に引き込まれているものにつながれているものからは少なくとも2メートル以上離れて雷雲をやり過ごす。
何ら雷対策のなされていない木造家屋などの場合、安全であるとはいえないことがある。こういった建物の
場合、雷を受けると感電事故や火災に至ることがある。しかし有効な対策方法があるので日頃からの備えが
大切。素人判断は危険。きちんとした雷対策のできる業者に相談を。
街中で雷に遭遇したら…
直ちに近くの建物内に避難する。
建物の壁・窓・柱から少なくとも1メートル以上、テレビ、電話、ガス器具、水道栓など、建物外部から建物に引き
込まれているものにつながれているものからは、少なくとも2メートル以上離れて雷雲をやり過ごす。
きちんとした雷対策のなされた建物内は安全。できるだけ避雷針のある建物内に避難。
電車・自動車なども可。(完全とはいえない。特に自動車の場合、屋根や側面は金属製であること。)車内
では壁や窓によりかからず、電気配線、ハンドル、スイッチ類に触れない。
自動車を運転中には、速やかに安全な場所に停車して雷雲をやり過ごす。
近くに建物などがなく避難できなければ、樹木、電柱などから十分に離れ、できるだけ両足を揃えて身を低くし、
手で耳を覆って雷雲をやり過ごす。傘は厳禁。
●野山で雷に遭遇したら…
直ちに山頂や稜線上から離れ、山小屋などの建物内に避難、建物の壁・窓・柱から少なくとも1メートル以上、
テレビ、電話、ガス器具、水道栓など、建物外部から建物に引き込まれているものにつながれているものからは、
少なくとも2メートル以上離れて雷雲をやり過ごす。
近くに建物がなければ、山頂や稜線上、樹木などから十分に離れ、できるだけ両足を揃えて身を低くし、手で耳を
覆って雷雲をやり過ごす。傘は厳禁。
●海で雷に遭遇したら…
雷は陸も海も関係ない。遊泳や釣りは自殺行為。直ちに建物内に避難、建物の壁・窓・柱から少なくとも1メートル
以上、テレビ、電話、ガス器具、水道栓など、建物外部から建物に引き込まれているものにつながれているものか
らは、少なくとも2メートル以上離れて雷雲をやり過ごす。
近くに建物などがなければ、樹木、電柱などから十分に離れ、できるだけ両足を揃えて身を低くし、手で耳を覆っ
て雷雲をやり過ごす。傘は厳禁。
船舶に搭乗中も同じ。直ちに甲板などから離れ、船内に避難する。
特に避難する場所の少ない野山、海などは非常に危険です。
できるだけ両足を揃えて身を低くし、雷雲をやり過ごす方法はあくまでも応急対応であり、
死傷する可能性を減らす効果しかありません。また長時間、この姿勢を保つのは困難です。
雷は局地的な気象現象であり、「いつどこで発生する」という細かな予報は現在でも困難です。しかし、
雷の発生しやすい条件についてはわかっており、このことから「雷注意報」などが気象庁より発表され
ます。避難する場所、すなわちすぐに建物内などに逃げ込むことのできる場所以外に出かける時には
気象情報に細心の注意を払い、少しでも雷の恐れのある時には出かけるのをやめましょう。
「雷に遭ったらどうするか」ではなく「はじめから雷の危険を避けるためには」を考えるのが
よほど賢明です。屋外には実験室のような理想条件を満たしているところはまずないことから
、雷はいつどこにどのように落ちても何の不思議もありません。
「サバイバル術」は最後の手段であり「はじめから雷の危険を避けるためには」を考えず、
ただひたすらにサバイバル術を考えても、それは人身の安全のためには何の効果も持ちません。

雷検知器も有効な手段の一つではありますが、人身事故例に示す通り、たとえ相当高性能な雷

検知器を正しく用いていても、およそ避難が間に合わなかったと考えられる実例があります。
また、雷検知器の不調、誤った使用、肝心の情報伝達の遅れなどから危うく人身事故寸前とな
った実例もあります。実態としてこれらは、「雷検知器・落雷位置情報さえあれば大丈夫」と
思い込んでいたことから、他の重要な情報を見落とし人身を危険に晒す結果に至っています。
当社では、「雷検知器さえあれば大丈夫」とすることが、人身防護について最も危険なもので
あると判断しています。雷検知器・雷探知機の使用は、雷観測そのものや「逃げることのでき
ない」電気設備の雷対策などを主とすべきものです。
小型の雷検知器、すなわち個人で使用することを主とするものは、米国では雷検知器というよりも「嵐」すなわち「竜巻探知機」として
  研究開発が進められ今日に至っています。すなわち本来の用途は「竜巻雲に伴う雷」を検知することによって竜巻雲の発生とその
  接近を一刻も早く知り、安全な場所に避難するためのものです。
  例えば米国の雷探知網(NLDN:National Lightning Detection Network)は今日、人的被害防止目的に使われていますが、
  その主目的は航空機保安、すなわち雷の発生している地域の飛行を避ける、あるいは雷の発生もしくは接近している飛行場に
  離着陸させないためのものです。
  今日の旅客機などには「前提として」高度な雷対策が施してあり、およそ雷の直撃を受けても大丈夫ですが、それでも受けないに越
  したことはなく、また雷雲やその周辺には危険な乱気流が存在し、これによる墜落の危険がありますから、これらの危険を回避する
  ためにNLDNは用いられます。飛行機の航行速度は雷雲や竜巻の接近速度よりも十分に早く、情報がぎりぎりになっても退避する
  ことができます。日本にも今日、航空保安目的として雷探知網が導入されています。
     米国では、パーソナルユース用の雷検知器(携帯用のものから、ゴルフ場・公園などで避難警報を出すものまで)がよく普及してい
  ますが、今日、それゆえにその限界についてもよく知られるものとなり、米国の雷対策業界内では、それが人の安全に直接関わる
  ものであることから、「無責任なもの」として否定的な向きもあります。
高い木などによって形成される「保護エリア」への避難についても「条件」すなわち目に見え
ない複数の条件を満たす必要があり、一刻を争う状況下で、現実的にその「見極め」は困難、
誤った判断と避難はかえって人身を危険に晒す結果になることから、当社では、疑問であると
判断しています。
           米国 NOAA National Weather Service Lightning Safety のページはこちらです。ご参考下さい。  
                Lightning Safety クイズへのクイックアクセスはこちらです。

 

 

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